楽しみにしていた海外旅行、もし荷物が届かなかったらどうしよう、と心配になっていませんか?とくに乗継ぎ便や久しぶりの国際線だと不安が膨らむものです。
ロストバゲージに遭遇する可能性をゼロにはできません。対策をしない場合、現地で慌てるだけでなく、最悪は何も補償を受けられないこともあります。
本記事では、ロストバゲージの予防策や、もし被害に遭っても英会話なしでできる対処法をまとめました。
この記事を読めばトラブルを防ぐノウハウが身につき、言葉が通じない海外でも冷静に対処できるようになります。
事前の準備と空港カウンターでのダブルチェックを徹底すれば、ロストバゲージに遭う確率を大幅に下げられます。不安なく出発するためにも、しっかり学んでいきましょう。
ロストバゲージの原因と発生確率

ここではロストバゲージの主な原因と発生する確率について解説します。
- ロストバゲージは主に乗り継ぎ時に起きる
- 年間3000万個超の荷物がトラブルに遭遇
ロストバゲージは主に乗り継ぎ時に起きる
ロストバゲージが起こる原因の約半数は乗り継ぎ時における荷物の積み替えミスです。限られた時間のなかで積み替え作業を行う乗り継ぎ便は、構造的にミスが発生しやすい環境と言えます。
たとえば前便の遅延によって乗り継ぎ時間が不足すると、次の飛行機への積み替えが間に合わず荷物の積み残しが起こります。
さらに、複雑な乗り継ぎの過程ではクレームタグの読み取りエラーや、作業員が誤って別のコンテナへ積み込むといった人為的ミスも少なくありません。
時間不足やシステムエラー・人為的ミスが重なることで、荷物だけが経由地に置き去りにされたり、異なる目的地へ送られたりする事態へ発展します。
年間3000万個超の荷物がトラブルに遭遇
国際線で荷物がトラブルに遭遇する確率は1.12%(1,000人あたり11.2個)と言われています。国内線と比べ、国際線は約6倍も荷物のトラブルが多い状況です。
国際線は乗り継ぎや複数の航空会社間での引き継ぎ工程が複雑なため、発生率が高まる傾向にあります。
しかし、完全に紛失・盗難となるのはわずか8%(1,000人に1人未満)となっています。荷物トラブル全体の74%は一時的な遅延です。
実際にトラブルにあった荷物の66%(2,200万個以上)は48時間以内に持ち主へ返還されています。
ただし、年間3000万個超の荷物がなんらかのトラブルに巻き込まれているのが実情です。荷物のトラブルに備えた対策は必ず行いましょう。
出典:» SITA Baggage IT Insights 2025(外部サイト)
ロストバゲージ防止!すぐにできる6つの対策

出発前に行える5つの具体的なロストバゲージ予防法について解説します。
- スマートタグ(AirTagなど)を荷物の中に入れる
- 古いタグはすべて剥がし、ネームタグを2つ装着する
- スーツケースの全体写真を撮り英文メモを作成しておく
- 1泊分の着替えと貴重品は機内に持ち込む
- 目立つスーツケースベルトを装着する
- 乗り継ぎ時間は最低2時間以上のゆとりを持つ
スマートタグ(AirTagなど)を荷物の中に入れる
iPhoneユーザーならAirTag、AndroidならTile等のスマートトラッカーを荷物の中に入れましょう。荷物を紛失した際に航空会社との交渉材料として使えるからです。スマートトラッカーを入れておくだけで、荷物の位置情報をリアルタイムに確認できるようになります。
スマートトラッカーはボタン電池式のため預け荷物に入れても航空法上でも問題ありません。ただし予備の電池は預けられないため機内へ持ち込んでください。
また、位置情報が把握できたからといって、すぐに荷物が手元へ戻るわけではない点に注意が必要です。他の予防策も組み合わせながら、ロストバゲージに備えましょう。
古いタグはすべて剥がし、ネームタグを2つ装着する
前回のフライトで付けられたバーコードタグはすべて剥がしてください。 空港の自動スキャナーが古い情報を誤認し、荷物が違う目的地へ送られる原因になるからです。
また、素材の異なる2つのネームタグ(革製とプラスチック製など)の装着もおすすめです。 空港での荷物の取り扱いは荒く、タグが1つだけでは、摩擦や衝撃でちぎれる恐れがあります。
ただしネームタグは、めくらないと名前が見えないタイプを選びましょう。 個人情報が露出していると、空港やホテルで悪用されるリスクがあります。
スーツケースの全体写真を撮り英文メモを作成しておく
スーツケースの全体写真を撮り、特徴を英文メモで作成しておきましょう。 荷物を預ける前に、外観を複数の角度から撮影してスマホに保存します。
ロストバゲージに遭遇した際、航空会社へ正確な特徴を伝えるためです。言葉での説明が難しくても、写真があれば現地スタッフに一目で伝わります。
また、荷物が破損して届いた際の預け前の証拠としても有効です。とくに英語が苦手な人ほど、視覚情報があることで異国の地では意思疎通がスムーズになります。
あわせて、荷物の特徴や中身を英語で箇条書きにしたメモも用意します。紛失届の提出時には、色、サイズ、ブランド、素材などの詳細情報が必要だからです。
言葉が通じにくい環境でも、事前準備があればパニックにならずにやり取りできます。滞在先のホテル名や住所も英語で控えておけば、紛失した荷物の配送先を指定する際に役立ちます。
1泊分の着替えと貴重品は機内に持ち込む
ロストバゲージに備え、最低1日分の着替えや洗面用具、充電器は機内へ持ち込みましょう。荷物を紛失しても数日以内に解消されるケースが大半です。
手元に着替えがあれば、到着直後の不便や現地での急な出費を防げます。 とくに日本と同じ処方薬を海外で調達するのは容易ではありません。常備薬は一部だけでなく、全日程分を機内へ持ち込みましょう。
化粧品などの液体物は100ml以下の容器に入れください。1L以下の透明ジッパー袋にまとめるのが国際線のルールです。
同行者がいる場合は、荷物をそれぞれのスーツケースに分散して収納するのもおすすめです。誰か一人の荷物が紛失しても、グループ全体のダメージを最小限に抑えられます。
見知らぬ土地で荷物を失うのは精神的なダメージが大きいものです。1日分だけでも手元に備えがあるだけで不安を減らせます。到着直後に買い出しへ走る必要がなくなるため、初日から本来の旅を楽しめます。
目立つスーツケースベルトを装着する
荷物の紛失リスクを下げるには、目立つスーツケースベルトの装着が効果的です。赤や黄色、オレンジなどの派手な色や、特徴的な柄のスーツケースベルトを選びましょう。
黒などの定番色は似たデザインが多く、他の乗客が自分の荷物と間違えて持ち帰るリスクがあります。特徴的なスーツケースベルトがあれば周囲の荷物と一目で見分けられるため、取り違えを防げます。
また、空港での荷扱いは非常に激しく、本体の亀裂や持ち手の破損は珍しくありません。衝撃で鍵やファスナーが壊れた場合でも、スーツケースベルトが中身の飛び出しを物理的に防ぎます。
スーツケースベルトはTSA対応のものがおすすめです。荷物検査の際、TSA対応であればセキュリティ担当者が専用キーで解錠できるため、ベルトを破壊されずに済みます。
乗り継ぎ時間は最低2時間以上のゆとりを持つ
フライトの予約時は、乗り継ぎ時間に2時間以上のゆとりを持つことが大切です。
乗り継ぎ便を利用する場合、荷物が紛失する確率は直行便に比べて3〜5倍に跳ね上がります。とくに欧州の空港は、アジア圏に比べて荷物トラブルの発生率が4倍も高くなります。欧州を経由する場合はより慎重な計画が必要です。
旅先でのロストバゲージを防ぐには、空港内での荷物の積み替え時間をしっかりと確保しなければなりません。乗り継ぎに2時間以上のゆとりを持った計画なら、紛失リスクを抑えて不安なく次の目的地へ向かえます。
空港でやるべきロストバゲージ対策

空港のチェックインカウンターや経由地でやっておきたいロストバゲージの予防策を解説します。
- チェックインカウンターで荷物の行き先を自分でもチェックする
- 経由地の空港カウンターで荷物の確認をする
チェックインカウンターで荷物の行き先を自分でもチェックする
手荷物を預けたら、渡されるクレームタグ(手荷物引換証)を受け取り、スマホで撮影して保存しましょう。ロストバゲージ発生時、クレームタグの番号がないと荷物の捜索や補償手続きが遅れるリスクがあるためです。
ロストバゲージする原因のうち約17%〜20%はタグの不備や発券エラーによるものです。別の場所へ誤送されないよう、タグに印字された最終目的地の空港コード(LHRなど)が正しいか自分でも確認しましょう。
さらに、荷物の個数と控えの枚数が一致しているか、タグが正しく貼られたかをチェックインカウンターの前で確認してください。グランドスタッフが荷物の控えを渡し忘れたり、貼り違えたりといったヒューマンエラーによる荷物の紛失も少なくありません。
乗り継ぎがある場合は最終目的地まで荷物がスルーで届くかを直接質問し、航空会社側と認識を合わせるとより確実です。
経由地の空港カウンターで荷物の確認をする
乗り継ぎ空港に到着したら、まずはトランスファーデスクや搭乗ゲートで預け入れ荷物の控えをスタッフに見せましょう。
「Is my baggage on this flight?(私の荷物はこの便に載っていますか?)」と確認し、システム上の積載状況を確定させることがロストバゲージ防止に役立ちます。
荷物の状況を経由地で確認しておけば、万が一荷物が届いていなくても、すぐに捜索を開始できます。荷物を発見するまでの時間を短縮できるのがメリットです。
大切な荷物と一緒に目的地へ向かうために、経由地での確認を習慣にしてみましょう。
英会話不要|ロストバゲージが起きた際の対処法

ここではロストバゲージが起きた際に行う手続きについて解説します。言葉が通じない海外の空港でも冷静に対処できるようになりましょう。
- 税関を出る前に手荷物サービスカウンターへ直行する
- 写真とメモを見せて手荷物事故報告書(PIR)を記入する
- 航空会社にアメニティキットや費用の補償を請求する
- 海外旅行保険・クレジットカード付帯保険の遅延補償を手続きする
税関を出る前に手荷物サービスカウンターへ直行する
荷物が出てこないとわかったら、まずはBaggage ServiceやLost & Foundと書かれた専用サービスカウンターへ直行しましょう。専用カウンターは通常、ターンテーブル(荷物受取レーン)があるエリアの奥に設置されています。
荷物が紛失したとわかった場合、税関ゲートを抜けて到着ロビー(一般エリア)へ出ないでください。
セキュリティの関係上、一度外へ出ると荷物受取エリアには戻れなくなります。後からの電話問い合わせも可能ですが、証明書の発行や補償の手続きが難しくなります。
手続きにに必要なもの
- 搭乗券
- 預け入れ時に受け取ったクレームタグ(手荷物引換証)
以上を手元に用意した上で、スタッフに相談しましょう。
写真とメモを見せて手荷物事故報告書(PIR)を記入する
空港の専用カウンターに到着したら、まずは手荷物事故報告書(PIR)の作成を依頼します。事前に用意したスーツケースの写真と中身の英文メモを見せれば、英語力に不安があっても正確に状況を伝えられます。
PIR作成時に発行される参照番号(5〜10桁)は、世界共通の追跡システム(WorldTracer)での検索や補償申請に必要です。必ず控えを受け取ってください。
見つかった荷物は航空会社が無料で配送してくれるため、滞在先ホテルの名称・住所・電話番号をあわせて伝えます。
翌日以降に別都市へ移動する場合は、全行程の宿泊リストを渡しましょう。いつどこへ届けてほしいかを英語のメモにしておけば、慌てずに対応できます。
航空会社にアメニティキットや費用の補償を請求する
ロストバゲージに遭った際は、まずアメニティキット(歯ブラシや下着など)がもらえるか航空会社に確認しましょう。アメニティキットが用意されていても、航空会社側から案内してくれないケースがあるからです。
また、多くの航空会社には、現地での日用品の購入費を負担する生活必需品費用補償があります。補償額の目安は1日あたり50〜150ドル程度です。
ただし、補償対象はあくまで必需品のみで、高価なブランド品などは対象外となります。自宅に生活用品がある帰国便での紛失は、原則として生活必需品費用補償を受けられません。
一度自身で立て替え、帰国後に航空会社指定のフォームから請求します。請求時には、購入日時と金額が明記されたレシートが必要な点に注意が必要です。立て替えたレシートは捨てないように保管してください。
海外旅行保険・クレジットカード付帯保険の遅延補償を手続きする
ロストバゲージや手荷物遅延に遭った際は、航空会社の補償に加えて、海外旅行保険やクレジットカード付帯の保険も併せて請求しましょう。
航空会社の補償は生活必需品など最低限に限られますが、保険を併用すれば2万〜10万円の範囲で不足分をカバーできます。ただし、クレジットカード付帯保険は旅行代金の支払いが条件(利用付帯)となるケースが多いため、事前の確認が必要です。
申請に必要なもの
- 搭乗券のコピー
- クレームタグ(手荷物引換証)
- PIR(手荷物紛失証明書)の控え
- 生活必需品を購入したレシート
以上が申請時に必須です。
なお、時計や電子機器などの免責品目、および上限額を超える高額品は補償されない点に注意してください。金銭的ダメージを防ぐためにも、貴重品は預けず必ず機内へ持ち込みましょう。
対策をして不安なく海外旅行を楽しみましょう

正しいロストバゲージ対策をすれば、海外旅行を不安なく楽しめます。
出発前は、AirTagなどのスマートタグの活用がおすすめです。古いバゲージタグは剥がし、ネームタグは2カ所に装着しましょう。
また、スーツケースの写真撮影や英文メモの用意、1泊分の荷物の機内持ち込みもパニック防止におすすめです。
万が一ロストバゲージに遭遇した際は、税関を出る前に手荷物カウンターへ直行し、PIR(手荷物紛失報告書)を作成してください。
まずは今すぐできる対策から始め、自信を持って旅行へ出発しましょう。
